数の子

お正月のおせち地料理や、お寿司などにも欠かすことができない、魅惑の食材「数の子」。
大好きな人も多いけど、数の子やいくらとかの魚卵って「プリン体」やら「コレステロール」が多く含まれていて健康によくない
って聞くことが多く、「魚卵大好き中年」の私にとって、数の子は痛風の引き金になる危険食材なのかちょっと不安なので調べてみました。
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数の子の紹介

知っているようで知らない数の子。

数の子の原料が「ニシンの卵」というのはなんとなく知っているけど、
大半の人は、それ以上数の子のことについて知っている人はいないのではないでしょうか?

魚卵だからプリン体多いの?コレステロール多いの?体に良くないの??

数の子のことをまずはざっくりご紹介

数の子の意味・由来

数の子が「ニシン」の卵ということはよく知られている話です。

ニシンという魚は「ニシン目 ニシン科 ニシン属」という分類に属しますが、
それとは別に北海道や東北では

  • カド・カドイワシ
  • バカイワシ
とも呼ばれていました。
カドイワシの子なので、「カドの子」
それが更に短縮されて「かずのこ」になったと言われています。

最近私がハマっている飯テロ漫画「ゴールデン・カムイ」にも、「ニシン御殿」「ニシン長者」など、ニシンのことはよく話の中に出てきます。

数の子は輸入品が大半

先述の「ゴールデン・カムイ」は日露戦争直後の北海道が舞台となっているのですが、
明治・大正・昭和初期までは北海道を中心にニシン漁はとても盛んで「ニシン御殿」「ニシン長者」という言葉も生まれたほどでした。

ただ、昭和中期になると、乱獲や気候変動などの理由により、日本での収穫量が激減してしまいました。

現在では、国産数の子は高級品として流通しており、回転寿司やスーパーなどで見かける数の子は

  • カナダ
  • アメリカ
  • アラスカ
  • イギリス
  • ロシア
  • ヨーロッパ

の物が大半を占めます。

下のグラフは北海道総合研究機構水産試験場が調査・公表している北海道でのニシンの年間漁獲量の推移です。

ニシン漁獲量グラフ

うーーん、ニシンの不漁っぷりがすごい!!

因みにですが、上記に上げた国では、数の子を食べる習慣がなく、日本に輸出するまでは、ほぼ捨てられていたのだそうです。

数の子、歯ごたえもプチプチして超美味しいのに、もったいない話です。やはり日本人は魚介類を上手に調理して食べることについては世界で最も秀でた民族ですね

数の子のプリン体含有量

実は数の子に含まれるプリン体は、他のどの食品と比べてみても、ダントツに少ないです。

プリン体の含有量は100gの数の子に対して21mgしかプリン体は含まれていません

プリン体の含有量比較

その食品100gに対して、どれだけのプリン体を含んでいるかを表にしてみました

食品名 プリン体含有量
牛乳 0mg
数の子 21mg
ピーナッツ 49mg
納豆 113mg
明太子 159mg
牛レバー 219mg
大正エビ 273mg
豚レバー 284mg
鳥レバー 312mg

比較的プリン体が少ないと言われて、ダイエット補助食材としても有名なピーナッツより少ないのはビックリです。

美味いものにはプリン体が多く含まれているのは事実ですね。

数の子に含まれる栄養素

贅沢品=プリン体が多いという一般認識のせいで、てっきり不健康な食品かと思ってましたが、その実はいかに??

数の子の成分を調査してみました

数の子の栄養成分

数の子栄養素

若干含まれている脂質にもEPA・DHAが豊富に含まれています。

サンマの場合、EPAが3.6%、DHAが6.9%なのに対し、

数の子の場合はEPAが6.1%、DHAが13.0%となり、DHAを多く含む代表格「青魚」よりEPA、DHAがほぼ倍も多く含まれているという驚愕の事実・・・

「DHAを豊富に含むのは青魚」
「だからアンタは青魚を一杯食え」
「数の子は大人の食い物、体に良くない!!」

とママンに言われて育てられてきましたが、なにやらこれは大人が旨いものを独り占めしようという例のアレでしょうか?
数の子って全然体に悪い気がしなくなってきました。

EPA・DHAの効果

EPAやDHAは体に良いとされている成分だということは私でも知っています。
では、EPA、DHAはどのような効果があるのでしょうか。

肥満予防に役立つ

肥満
EPA、DHAは肝臓で脂肪分解の促進をします。
故に、肥満の防止や抑制、改善に大きく役に立ちます。
特に内臓脂肪の蓄積を防いでくれます。

※すでにマウス実験で実績が出ています。

血中の脂質を改善する

サラサラ血液
EPA、DHAは肝臓でのコレステロールの合成を抑制する効果があります。
故にドロドロとした血液もサラサラに!!

頭がよくなる

DHAには、昔から言われるように脳機能の改善効果があります。

う~~む、むしろ子供にこそ食べさせたほうがいい食べ物な気がするんだが・・・

なぜ悪いイメージが付いた!!

DHA、EPAはサンマの2倍、プリン体も少ない・・・

なのに、数の子のイメージってあまり良くないですよね。
コレには、数の子の調理方法、加工方法が大きく影響していると思われます。

塩漬け故の「塩分過多」イメージ

これは、数の子という食品の大部分が「塩漬け」という加工方法を経て、
我々の食卓に並ぶという流通の都合上、残念ながら避けられないイメージだと思います。
白状します。
20代で一人暮らしをしていた頃の私は「塩抜き」数の子を買うお金ももったいなかったので、お正月は、塩漬けした数の子を下のような方法で食べてました
(単に塩抜きが面倒くさかっただけでもあるけど)
  1. スーパーで塩漬け数の子を購入する
  2. オーブンで軽く炙る
もちろん、特に火を通さず、
そのままビールとともにポリポリ食べるということもやっていましたorz
※当時は全くお金が無かったので、つまみ的な物を買う余裕がなかったんです(泣)

ただ、軽く炙った数の子は、

◆ふりかけにしても良し、
◆パスタの具にしても良し、
◆コンビニのメカブと混ぜて食っても良し
と、かなり優秀な調味料に化けます。
(マジですマジで)
私の「若かりし頃の貧乏エピソード」は別にしても、
塩抜き前の数の子は一般の人なら吐き出してしまうほどしょっぱいので、キッチリ塩抜きをして料理しましょう。
また、最近は健康志向の高まりもあり、スーパーや通販などにも「塩抜き済み」の数の子がありますので、そちらを購入してみるのも良いかと思います。
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高級品・嗜好品となったモノの宿命

お金持ちのご家庭は知りませんが、一般的な収入レベルの私の実家では

イクラ・数の子・ウニは体に悪い食べ物
 →だから買わない、子供に食べさせない

子持ちコブやからすみは、ママンとパパンがチビチビ食べていた記憶しかありません。

私の実家は非情なまでにそのあたりの教育が行き届いておりました。
(字は間違いではありません。)

なにやら貧乏エピソードが多くなってしまいましたが、
旨いものは悪=健康に良くない
というイメージが健康志向が高まった今の時代だからこそ強くなり、

美味しくて、実は健康にもよい数の子によいイメージがつかないのかもしれません。
確かに、塩抜き前の数の子を大量に食べることは暴挙と呼ぶに等しい行為ですが、

塩抜きをきっちり行い、適度な塩加減に調整した数の子は非情に美味しいです。

まとめ

  • 数の子はプリン体がめちゃくちゃ少ない
  • 数の子は外国産が多く、日本産は高級品
  • 数の子にはEPA、DHAなどの成分が多く含まれている
  • きちんと塩抜きした数の子は健康によい

私も、すでに毎年通販で安い数の子を注文して、お正月のつまみにしておりますが
(おせちを作ったり、買ったりするのは面倒くさい)

安い数の子はこんな風に工場で作られてるかもね!!
天然数の子ほしぃです!!

いやはや、付加価値をつけようと、形を整えたりするのは企業努力の一貫だけど、食品がココまでシステマチックに整形されていると驚きを通り越してちょっと引きますw
魚卵つながりで明太子アイスの記事もあるよ♪